会長挨拶

  
植木会長挨拶
植木会長挨拶

 本日は、ご多忙中にも関わりませず、かくも多数の方々のご列席を賜りまして、心より厚く御礼申し上げます。
 平成8年創立以来、私たち倉敷YEGは、会員相互の親睦と連携を密にして、地域の振興のために努力を続けてまいりました。 産声をあげた当時は、それまで日本を活気づけていたバブル景気が終息し、現在に続く長い低迷期に入った頃でした。それから現在に至るこの10年という歳月は、まさに、寒風の中を一歩一歩、歩んできた時間だったといっても過言ではありません。
 その結果として、天領夏祭りでのストリート・ミュージシャン・コンサート、クリーン作戦、講演会、そして、平成17年度には『くらしき朝市「三斎市」』を立ち上げるなど、様々な事業を展開するに至っております。 これもひとえに、本日ご列席下さいました来賓の皆様方と諸先輩方のご支援とご努力があればこそと、改めて認識し、ここに深謝いたす次第でございます。
 そして、このような節目の年に倉敷YEG会長という重責を担わさせていただきますことに、今更ながら身が引き締まる思いでございます。
 ただし、何分、私は口下手でございますので、拝命した時から常に心がけております3つの玉条をご紹介することで、挨拶に代えていただきたいと存じます。
 その1つ目は、作家・三島由紀夫の『現状維持というのは、醜悪な思想であり、一方で、現状破壊というのも乾いた貧しい思想である』という言葉です。 「現状維持」「現状破壊」などと、威勢良く口にするのはたやすい事です。しかし、現状維持だけではあまりに進歩がありませんし、現状破壊を最初に持ってくると、周囲との摩擦が多すぎて発展の速度が鈍ってしまいます。 大切なのは、温故知新のバランス感覚であり、必要なのは、大きな知恵であるという意味の言葉です。 では、どうすれば、そのバランス感覚と知恵を自分達のものにすることが出来るでしょうか?
 その答えが、中国の思想家である荘子の『井蛙(せいあ)はもって海を語るべからず』という言葉にあります。これが2つ目。 井蛙とは、井戸の中のカエルのことで、井戸の中のカエルに見たことのない海の話をしても理解できないという意味の言葉です。 現代は、情報や技術が日々新しくなっております。この時代、自分達の持っている知識や技術が全てだと思っていては時代に乗り遅れてしまいます。 そこで、私は、常に感性のアンテナを鋭敏にし、新しい時代の動きに敏感でいたいと思っております。
 そして3つ目は、フランスのモラリストであるブリューイエールの『沈黙は愚か者の知恵である』という言葉です。 話の内容が理解できない時に、背伸びして対話に加わろうとすると、自分の愚かさを暴露してしまうことがあります。 そんな時、分かったふりをして黙っていれば、相手は理解したものと思って話は進んでいきますので、自分の愚かさを暴かれるようなことにはなりません。

 しかし、私は自他共に認める愚か者ですし、馬鹿な勉強不足の人間だと充分に自覚しておりますので、知らないこと、気づいたこと、気に掛かることがあれば、その都度、積極的に言葉にし、皆様に相談・提案することで、どんどん恥をかいていく所存でございます。
 「周囲とのバランス感覚」「時代への皮膚感覚」そして、「積極的なコミュニケーション」。以上、3つの教えを常に心に据え、創意と工夫、勇気と情熱を傾注することを怠らずに、日々研鑽を続けていくことを、ここにお誓い申し上げる次第です。
 創立10周年を迎えたとは申せ、YEGとしては、まだまだ未熟でございます。どうか、倉敷YEGに対し、今後ともご支援、ご協力を賜りますよう心よりお願い申しまして、私の挨拶とさせていただきます。 ありがとうございます。

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