将棋の羽生棋士のエピソードを紹介します。
羽生棋士は、ある重要な対局のときに、先手であるにもかかわらず、開始後数分間、駒を指しませんでした。通常なら、対局するまでに何を指すかを決めているはずです。
このとき、羽生棋士がなかなか先手を指さなかったのは、「静寂心を待っていた」からだそうです。
大勝負の対局で、最も大切な先手を「静寂心」で指すことにこだわったのです。どのような「先手」を指すかだけではなく、どのような「心境」 で先手を指すかを羽生棋士はこだわったのです。
重要な意思決定の場面に直面したとき、苛立ち、焦り、不安、恐怖などにとらわれて断を下してしまうと、直感力も鈍り、誤った判断をしてしまう可能性があります。
いかなる「選択肢」を選ぶかではなく、いかなる「心境」で選ぶかという「静寂心」。我々も心掛けなければならないことだと思います。