今日ある方のお話を聞いていて、気付いたことを少々・・・
その方のお話しは、全体的にためになるものでしたが、話の中に「多様化」という言葉が頻繁に出てきました。
価値観の多様化、ライフスタイルの多様化、家族形態の多様化、雇用環境の多様化、顧客ニーズの多様化、教育システムの多様化等々、「多様化」のオンパレードでした。
つい「あなたは多様化教の教祖様ですか?」と問いたくなるほどです。
確かに口を開けば誰しもが、したり顔で「多様化の時代だ」と言います。
しかし、あまりに「多様化」を連発されると、「ほんまかいな?」と思ってしまうのが人間の(私の?)性分です。
あらゆる商品のライフサイクルが短くなり、次から次へと流行も出ては消えていきますから、いかにも多様化のように見えますが、皆が同じ商品に殺到する現象、盆暮れや連休に全国一斉に国民が大移動をするおなじみの光景、個性を大切にしたいと言いつつ同じように髪を染める人達、女子高生の短いスカートや今は見なくなりましたがルーズソックスなど、多様化とは程遠いものが世の中には氾濫しています。
極めつけは多様化という言葉に国民全体がうなずいてしまうことです。
これらは、とても多様化とは言えず、どう見ても画一化・均一化としか思えません。
商品や情報は多種多様になって、選択肢は増えているかもしれませんが、実際に我々のしていることは、決して多様化とは言えないものです。
聞こえのいい、そしてもっともらしい「多様化」という言葉に踊らされて、現実の本質を見落としてしまうと、間違った判断をしてしまう恐れがあります。
皆さん、言葉に騙されてはなりませんぞ!
カモ井加工紙株式会社
鴨井尚志