愚か者への教訓 「人」

「人」に恵まれないと嘆く者よ。心許す友なく、人に好かれないと嘆く者よ。お前の嘆きは、思いの他、深刻な事であろう。しかしながら、お前の嘆きは、「私は人間的な魅力なく、そしてその魅力を付けようとも、磨くこともしない、つまらない人間です」としか私の耳には聞こえない。
お前の頭の中に、「心配り」「ユーモア」と言う文字はあるか。私の知る限り、人としての魅力なく、幸せ者となった人間を私は知らない。
お前に人としての魅力はあるか。本を読み、芝居を見、人と会話し、自然に触れ、動植物を観察し、星を眺め、旅行をし、見識を広め、好奇心あふれる生活を営んでいるか。お前は、人を和ませ、場を明るくするような、ユーモアとウィットを持っているか。ないであろう。
お前に人気なく、友を得られぬ理由は、お前に人間的魅力がないからである。お前の理想とする友は、お前がその理想に近づこうとする努力なくして神や仏に祈りを捧げようとも、天から降ってくることは決してない。これこそ、人一倍の自分を磨く努力が必要であることを思い知れ。愚かなる者よ、相手が何を望んでいるか、すぐ応えることができる幅広い見識と役に立つ情報、優しい心配りを提供できる人となってみよ。人に幸福感を与えるような、エンターテイメントを学ぶ努力をしてみよ。そして、人間としての「徳」を磨き、光を放つ人間となってみよ。
それができぬなら、一生を、孤独と涙を友として生きるがよい。それがいやならば、己を磨く道以外に選択の余地はない。「人」なき愚か者に捧ぐ。
さて、人に恵まれない(友達がいない、恋人がいない、人から好かれない)と嘆く人々に向けた今回のメッセージですが、この問題解決にウィスラー氏は「人としての魅力」をつけることと「これこそ人一倍の努力が必要である」
と教訓の中で強調しています。現にウィスラー氏の会社では、人を楽しませる術を身に付け、明るく朗らかで誰からも愛され、誠心誠意働く姿勢こそが、会社を大きく発展させる原動力だと唱えているそうです。
「怒り、恨み、妬みといったネガティブな感情は、すべてユーモアによって消し去ることができ、笑いは天が人に与えた最高の武器である」と言われます。また、聖書の中だったと記憶していますが、「人はたった一言で傷つき、たった一言で癒される」という言葉もあります。
「人としての魅力」をあまり難しく考え過ぎると、かえって眉間にしわを寄せて笑顔を忘れてしまうことになりかねません。人間の人間に対するメッセージを突き詰めると、「敵」か「味方」かになります。「私はあなたの味方です」
を証明する最良の方法は、ほんの少しの気配りと笑顔を心掛けることと、相手の話をよく聞くことだと思います。
自分を磨く努力あってこそ人は輝きますが、その努力を始めたときから既に人は輝きを放ち、磁石のように人を引き付ける力を持つことになると思います。

おくる笑顔が美しければ、来る笑顔も美しい
する挨拶が美しければ、返る挨拶も美しい

カモ井加工紙株式会社
鴨井尚志