ある老舗かばん屋での、職人とお客のやり取り。
高価だが是非とも欲しいかばんを見つけたお客が、「このかばん、どうしても欲しいんですけど、少し安くしてくれませんか?」と店のオヤジさんに頼みました。
するとオヤジさんいわく、「これはわしの仕事に対して付けた値や。負けられん。催促はせん。いつでもええから金の出来た時に払うてくれたらええ」。

金銭に頓着しないが、安売りはしない。職人の心意気です。
お客の要望に応えて、すぐ値段を下げてしまう営業は、製造現場の苦労が見えていないからなのでしょう。