ある旅人が、旅の途中で道を見失い、不思議な国に迷い込んでしまいました。その国は、一つ目人間の国だったのです。 その国の住人は、誰もが目を一つしか持たない人々であり、旅人のように目が二つある人間は、一人もいなかったのです。
その国に迷い込んだ当初、旅人は、変わった風貌の住人を見て驚き、そしてしばらくは、彼らを不思議に思って眺めていました。 しかし、その国で過ごすうちに、旅人は、だんだん孤独になってきました。
自分だけが二つの目を持つことが異常なことのように思われてきたのです。そして、その孤独のあまり、ついに、その旅人は、自ら片方の目をつぶし、一つ目になってしまいました。

この旅人の悲劇は、決して遠い彼方の国の物語ではありません。我々も、しばしば、この旅人のように、自ら周囲に合わせようと考えてしまうことがあります。自分が周りの人とは違うことの孤独。そのことに耐えられず、自分の持ち味を認めないまま、自分自身であることをやめようと考えてしまうのです。
青年部は、個性派の集団です。個人の強みも弱みも総てさらけ出せる場所、そしてその存在を互いが認め合える場所でありたいと願っています。