サーカスの象は、小さい頃に頑丈な鎖でつながれる。子象は鎖を引っ張って逃げようとするが、まだ小さいので鎖を切れない。
そのうち逃げられないとあきらめて、暴れるのをやめる。
この子象は、年月が経つと大人になる。もう、つながれている鎖など簡単に切れる力を身につける。ところが、象は暴れることもなく、決して鎖を切って
逃げようとはしない。象は、鎖が切れなかった経験はしているが、鎖を切った経験をしていない。「鎖は切れない」という観念が植え付けられてしまっている
からだ。
人間もこの象と同じだ。 一度失敗をしたことを「これは自分にはできない」と思い込み、苦手意識を自分で植え付けてしまう。
こういったたとえ話はよくあります。しかし、本当に象は「鎖が切れない」という思い込みで逃げないのでしょうか?
もしかすると、サーカスにいれば毎日餌をもらえるからかもしれませんし、安全だからかもしれません。サーカスで芸を見せることに喜びを感じているから
かもしれません。
「『鎖は切れない』という観念が植え付けられてしまっているからだ」と勝手に決め付ける人こそ、観念が植え付けられているのではないでしょうか?