3月に入り、日本全国卒業式のシーズンとなりました。海外駐在を経験した、ある人の話を聞きましたので、紹介します。
駐在地で娘の幼稚園の卒園式に出席したとき、式の間の写真やビデオの撮影が禁止されました。 担任の先生は「撮影に夢中になるのではなく、我が子の晴れ姿を自分の目できちんと見て、記憶にとどめてほしい」とその理由を説明したそうです。
彼は「子どもの姿を記録したいのは親の情だが、鋭い何かを感じさせる指摘だった」と言っています。
カメラをしまい、娘を見ていると、娘の生まれた日のことや一緒に遊んだことを懐かしく思い出すことができたようです。
日本の学校行事で、ビデオを手に走り回る親たちに「我が子の姿を目に焼き付けていますか?」と問えば、どんな答えが返ってくるでしょうか?子供の晴れ姿を撮るために走り回り、撮影に一番良い場所を親同士で奪い合う様を子供たちは望んでいるのでしょうか? 「晴れの日」や「節目」にこそ我が子を正面から見つめ、何かを感じる。撮影はしない。それも悪くないかもしれません。
決して、カメラ音痴の愚痴でも嫉妬でもありませんゾ。