「スイスの民間研究機関『世界経済フォーラム』は28日、05年版の世界競争力報告書を発表した。
01年から3年連続の上昇で昨年9位に復活した日本は、今年はオーストラリアやオランダに抜かれて12位に後退し、再びベスト10から陥落した。」との記事がありました。
以前、ヨーロッパを旅してきた友人が、イタリアに関する彼なりの考察を話してくれたことがあります。
彼曰く、過去何度か訪れたイタリアという国は、そのライフスタイルが鮮やか且つしたたかで、「人生の達人ではないか」と思わされるそうです。 と言うのも、イタリア人に「人生の価値は何か?」と問い掛けると、多くの人が「1にサッカー、2に会話、3に食事、そして恋愛、母親(家族)だ」 と答えるようです。
彼が冗談めかして「日本では仕事が一番という人がたくさんいる」と言ったところ、「イタリア人にもそういう人間はいる。しかし、それは病院へ行くか発作を起こす寸前のヤツだ」と笑われたとのこと。
かといって、イタリアの人達がいつもサッカーに熱狂し、女性の後を追っかけ回し、お喋りばかりしているのかと言えば、決してそうではなく、2000年の労働生産性の国際比較では、勤勉の代名詞のように見られている日本が先進12カ国の内11位で、イタリアは何と2位なのです。
要するに、日本人はダラダラと長く働くが、イタリア人は仕事を効率良くこなし、夜ともなれば、それなりの着こなしをしてパーティーとか音楽会に出掛け、食事や会話を楽しむ術を心得ているということでしょう。
耳の痛い話ではありますが、なぜか納得してしまうところがあります。人生を楽しむ術も今のような状況下では、そのようなことを言っていられないという人が大半かもしれません。しかし「何のための人生か?」「何のために働いているのか?」を我々はもっと考えるべきかもしれません。それが効率化の一番の特効薬になるのでは・・・と思ったりします。