松下幸之助氏が労働時間について、「人より一時間余計に働くことは尊い努力である。勤勉である。
だが、今までよりも一時間少なく働いて、今まで以上の成果を挙げることもまた尊い。そこに人間の働き方の進歩があるのではないだろうか。 それは創意工夫がなくてはできない。 額に汗することを讃えるのもいいが、額に汗しない涼しい姿も讃えるべきであろう」という言葉を残しています。
まさに経営の神様らしい含蓄のある言葉です。 しかし、「 ゼロから世界の松下を作る過程で、このような悠長なことを言っていたのか?」と思います。松下氏が言うように、一時間少なく働いて「今まで以上」の成果をあげられるようになったのなら、もう一時間多く働いて、さらに成果をあげることが、企業の立ち上げ・成長において必要であったのではないでしょうか。
人・モノ・金・情報・顧客、総ての経営資源に劣っている中小・零細企業が、競合や大企業に立ち向かっていくには、きれいごとで済まされないものがいくらでもあります。
立派な経営者(神様)の言葉は、人の琴線に触れ、説得力もあります。しかし、神様になる前となった後では、発する言葉が変わってしまうこともあるでしょう。どちらの言葉を参考にするかは我々次第です。人の言葉は、自分の今現在の位置とこれからの方向性を確かめた上で参考にしなければなりません。
来週29日には、経営講演会が開催されます。
人のお話は教科書ではなく、あくまでも参考書であることを肝に銘じて講演に臨みたいと思います。